富の未来
約一ヶ月をかけて、上・下巻を読み終えた。
時間・空間・知識が根底から変化していることを指摘し、それを起点にさまざまな経済、社会問題をうまく説明している。スケールがものすごく大きくて一度読んだだけではあまり消化できていない感じです。現在が過去に例を見ないほどの革命的な時代であることの説明は非常に説得力があった。
特に心に残ったのが目に見えない富についての説明で、経済というのは、お金という目に見える経済と同じくらいの規模の目に見えない経済とで成り立っているということ。目に見えない経済というのは子どもを育てるということであったり、ボランティアであったり、オープンソースであったり。このような視点はあまり意識したことがなくて、僕にとっては新鮮であった。
僕自身今回のYAPCのボランティアスタッフをやるなかでも、このあたりのことは実感した。ボランティアということで当然お金がもらえるわけではないけれど(ノベルティグッズなどはもらいました)、他のスタッフの方と一緒に働いたりすることは何とも言えない楽しさがあったし、充実感があった。この目に見えない経済の重要性というのは本書でも論じられているが、今後を考える上でものすごく大事な視点の一つであると思う。