次の20年の技術は機械翻訳

ウェブ人間論」を読んでいる。そのなかで取り上げられている一つのテーマに自動翻訳の可能性というものがあるのだが、僕はこれを次の20年の技術だと思っている。もちろん翻訳者のようにコンピュータが翻訳することなんてたぶんずっとできないだろうけど、ユーザーのほとんどがある程度意味を把握できるところまではもっていくことは可能だろう(と信じている)。
平野さんが「ウェブ人間論」の中で

日本人みんなが何らかの方法でかなりの程度英語を話せるようになるのにかかる時間と、翻訳機械が一応意味ぐらいとれるまでに発達する時間っていうのはどちらが早いんだろうと、冗談半分に考えてみることがあります。

と言っているのだがこれは冗談半分などではなく非常に興味深いことである。日本人みんなが英語ができるようになればほとんどの日⇔英翻訳者は必要ではなくなる。その可能性は相当低いと思うのだが、ある程度の意味がとれるレベルとなるとどうだろうか。現在小学校からの英語教育も検討されているようだけど、それである程度意味がとれるぐらいの英語力がつくのかは微妙なところではある。結論として日本人みんなが英語を使えるようになるのはまだまだ時間がかかると思う。機械翻訳のほうはどうかといえばこれも過去10年を見る限り、できそうな気配はない。ただテクノロジーのおもしろいところは非連続な変化が起こることである。日本人の英語力が非連続的な上昇をみせるということはないだろうが、テクノロジーは違う。前の日までできなかったことがその日のひらめきにより急にできるようになったりもする。だからテクノロジーを予測するときに過去を参考にすることは悪いことではないけれど、それを判断のよりどころとすべきではない。

梅田さんが何を念頭に置いて

自動翻訳は、「一応意味がとれる」程度ではダメだということが、難しいところだと思います。

と言っているのかはわからないのだけれど、現状は「一応意味がとれる」レベルまでも達しているのかもあやしいところである。(高価な専門ソフトのことはわかりません。Googleやエキサイトの翻訳を使ってみての感想です)

参考までにTechCrunchのある記事の原文とGoogleの自動翻訳、それに翻訳者による翻訳を以下にはっておく。

http://www.techcrunch.com/2006/12/28/google-v-technorati-and-hitwise-v-comscore/
(原文)

http://translate.google.com/translate?hl=ja&sl=en&u=http://www.techcrunch.com/2006/12/28/google-v-technorati-and-hitwise-v-comscore/&sa=X&oi=translate&resnum=4&ct=result&prev=/search%3Fq%3Dtechcrunch%26hl%3Dja%26lr%3D%26rls%3DDVFC,DVFC:1970--2,DVFC:ja
Googleの自動翻訳)

http://jp.techcrunch.com/archives/google-v-technorati-and-hitwise-v-comscore/
(翻訳者による翻訳)


分かる人にはこのGoogleの自動翻訳でも十分わかるのかもしれないけど、僕にはよく分かりませんでした。

非連続とか言っているのに次の20年と言っているのは矛盾しているようではあるが、20年後ぐらいにはなんらかのブレイクスルーが起きているだろうという希望も含めての根拠なき予測なのであしからず。