マンガ「ワンピース」に学ぶベンチャースピリット

僕が読んだ(読んでいる)マンガの中で最も好きなマンガの一つがワンピースだ。中学生のころから単行本を集めて読んでいる(ジャンプでは読んでいない)。まだ読んだことがない方のためにかんたんに説明すると、大海賊時代という混乱の時代に、たくさんの海賊がひとつなぎの大秘宝(ワンピース)をめぐって戦いを繰り広げるという物語。主人公は麦わらのルフィことモンキー・D・ルフィとその一味麦わら海賊団である。
彼らの冒険を通して僕はいろいろなことを学んだ気がしている。そのいくつかを書き留めてみたい。

以降若干のネタバレも含むので読んだことがなくてこれから読もうとしている方は注意。



・チームメンバーの「志ベクトル」の向きが同じであれば志の中身が違っても構わない
ルフィは海賊王になるために海へ出てグランドラインに入ったのだが、途中で出会う仲間たちは海賊王になるために仲間になったわけではない。それぞれの夢をもって、それを実現させるために仲間になっている。
例えば、ゾロは「大剣豪に」、ナミは「世界地図を描くため」、ウソップは「勇敢なる海の戦士になるために」、サンジは「オールブルーを見つけるために」グランドラインに入っている。(12巻30,31頁)
しかし彼らには、「仲間たちが好きで、この仲間たちと冒険するのはおもしろい」という感覚は共通しているように思う。
今読んでいるビジョナリー・ピープルからの引用

「才能に恵まれた人たちが探し求めているのは、次のような組織だ。つまり、金だけではなく、活力を与えてくれるような精神的な目標、そこで働いている人たちの個人的な価値観と共鳴し合うような目標、独創性を発揮できる仕事のチャンスを与えてくれるようなミッション、といったものを用意してくれる、そんな組織だ。」(58頁)


・なによりも仲間は人柄が大事
ルフィが仲間を選ぶ際に一番の基準にしているのがこの人柄である。海賊王を目指すのだから仲間は当然強い方が良いに決まっているのであるが、ルフィは仲間が強くなくちゃいけないとは思っていない。(40巻200頁)
ゾロを仲間にするときもゾロが実はいいやつだとわかってから仲間にすることを決意している。(1巻97〜103頁)
サンジにしてもその強さではなくギンに飯を食べさせているところを見て仲間にすることを決めている。(5巻189頁)
「いい人」だけ集めても優れた仕事が必ずしもできないのかもしれないけど、スキルよりもっと深いところでのお互いの信頼がなければ、良い仕事なんてできないと思う。


・途中で出会う敵のほとんどはルフィが「海賊王になる」というとバカにする
たしかにルフィには実績はなかったし、ぱっと見そんなに強そうには見えない。しかしルフィは実績なんてないころから一貫して「海賊王になる」と言い続け、今に至る(今や懸賞金3億ベリーの大物海賊)。
自分がやろうとしていることが大きければ大きいほど、まわりからの抵抗は大きくなるもの。自分が難しい問題を解決しようとして、そんなのは無理だよとか言われてもルフィを見てみればそんなことはやってみなければわからない、と考えられるようになるかも。ただしルフィは海賊王になるために鍛えてきたことは忘れないでおかなければ。


・少人数のチームでも巨大組織と渡り合える
44巻現在、麦わら海賊団は8人ではあるが、その総合賞金額(トータルバウンティ)は6億6千万ベリーを超える。メンバー1人1人がなんらかの技能をもっており、行く先々のさまざまな困難を力を合わせて乗り越えてきた。大海賊、大組織といえども彼らが力を合わせたときには問題ではない(vs CP9@エニエス・ロビーなど)。
僕が少人数のチームで仕事をしたいというのはこのあたりの影響も少なからずある。


・仲間になってもらう前に必ず先に自分が相手を助けている
これはルフィが仲間になってもらう前に必ずやっていることである。ゾロを刑務所にとらわれているところから助け出したり、ウソップに関しては村の危機を救ったり、ナミの場合もナミおよびココヤシ村の危機を救った。サンジやチョッパーのときにも目の前にいる敵をともに倒した。ロビンやフランキーを絶体絶命の窮地から救っている。しかしルフィは手を貸してやったなどとは思わず、さも自分は当然のことをしたまで、というところがかっこいい。本人はそうも思ってなさそう。なによりも仲間を大事にする姿勢に激しく共感。
(ただしゾロのときには「助けてやるから仲間になれ」みたいなことを言っている笑)


・海賊のメンバーとしては少人数ではあるが行く先々でいろんな人たちが彼らを支援してくれている
ローグタウンでいっぽんマツからゾロが雪走や三代鬼徹をもらったり、空島に行くときにはモンブランクリケットたちに、ウォーターセブンではココロばあさんにいろいろと助けてもらったりと、周りの人の助けがあってこそ麦わら海賊団もここまで来ることができた。何かを成し遂げられるのはいろんな人からの援助があってこそ。


・まとめ
ここにあげたことは僕がワンピースで学んだことの一部分にすぎないと思う。ワンピースを読んだことがない人は絶対に読むべき。
上記のことは「マンガじゃん」とか言われればそれまでだが、仲間を大事にする大切さなんかは現実でも間違いなく当てはまる。今のウェブ世界と大海賊時代がどこか似ていると思うのは自分だけだろうか(たぶん自分だけ)。このウェブ世界で「大冒険」をこれからしていきたい。
最後にワンピースを描いている尾田先生に感謝。これからもお体に気をつけて描き続けてください。楽しみにしています。